”行動するだけ”の影響力 ~西日本豪雨災害で知ったこと~
こんにちは!広島住みの大学生トンガリまる(@tongarimarukun)です!
みなさんは,2017年夏の西日本豪雨災害を覚えていますか?
今回は,当時,友人たちととにかく何かやらないとと動いたこととその結果について,お話します。
1.西日本豪雨災害の始まり
1-1.豪雨到来 ※長いので飛ばしても..
僕は広島大学近くに住んでいるのですが,(在籍してるから当然か。(笑))豪雨に襲われた当時,僕は広島市内から、友人の運転する車で帰宅する道中でした。
「雨,やばくないすか。」
そんなことを言いながら車に乗っていると,国道486号線に差し掛かったあたりで,あることに気づきました。
「道,川になってね?」
膝のあたりまで道が水没していました。そのまま急いで帰ろうとしていると,ある異変に気付きます。
「なんか,臭い。」
更には,足元からボコボコという,明らかに何かおかしな音がしてきました。
急いで見てみると,マフラー(排気口)が冠水していました。車の内部に水が流れ込むと同時に,排気ガスも社内に充満してきていたんです。
「え?死んじゃう?」
慌てて窓を開け,近くの店舗の冠水していない駐車場に避難。
しかし,雨が止む気配はなく,川のようになった道路を強行突破して,家に帰りました。
1-2.そして,行動に移る
翌日,友人宅にて集まっているとき,知人から,あの行動のきっかけとなる一言が。
「誰か,手空いてる人いない?バイパスで立ち往生してる車がいるって。」
その一言が,その日の6時間以上に及ぶ行動の始まりでした。聞くところによると,知人は知り合いの教授からその旨を聞いたとのこと。そりゃ行くしかないっしょ。(笑)困ってる人いっぱいいるんだもの。
その場にいた数人でカンパして近くのスーパーで食料・飲料を買い,バイパスへ向かいました。
そこまでの道も,水没していたり,土砂が溜まっていたり,樹などが倒れていたり。僕たちは普段とは違う光景に,ただただ驚いていました。
2.行動 ー 1日目
2-1.食料
到着した僕らは,近くに自転車を止め,歩いてバイパスに登りました。そこには,立ち往生する車の長蛇の列。
僕らは二手に分かれて,購入した食料を配り始めました。一台ずつ運転手に手を振り,
食料をと飲料を手渡したのですが,そこには驚きの事実がありました。
「どのくらい止まってるんですか?」
「もうすぐ48時間かな」
48時間!?
想像をはるかに超えていました。
「頑張ってください」
これしか言えること,無いんですよね。
「前の方どうなってるの?」と訊かれる方も大勢いました。しかし,答えられるのは,
「少し先で土砂崩れらしく,ずっと止まってるんです。。」ということだけ。
そのまま,1台1台に食料と飲料を無くなるまで渡して回っていました。その最中,ある一台の車で,とある方に出会ったんです。
2-2.交通整備
車に乗っている人たちと,飲料を紙コップに入れたり,食料を手渡したりする間にお喋りをしていたんですが,その車に乗ってる方がこんな一言を言ったんです。
「体調が悪くて..」
とにかく,救急車を呼んだのですが、もしかしたら渋滞が流れ始めるかもしれません。路肩に車を寄せて止めてもらおうとしたんですが,切り返すスペースがないんですよね。
前の車数台に,事情を話して少しずつ進んでもらい,どうにか車を路肩に。その時,誰かが言ったんです。
「国道に流せばいいんじゃない?」
その時,国道486号線は,確かに渋滞も発生していませんでした。(付近では,という感じですが)
少し前に警察に連絡したのですが,他の地域でも同じような状態で,こちらには人が回せないとのこと。そこで,自分たちで少しでも整備しようという話に。
バイパスの出口付近の車から順に,
- 土砂崩れによる立ち往生であること
- 復旧の目処はまだ立っていないこと
を伝え,出口に誘導していきました。
その時すでに日は暮れ始めており,辺りは暗くなりつつある状態でした。中央分離帯っていうんですかね?あれの上や歩道から誘導していました。どの運転手さんも,直進しようしているところを制止されるのですから,
「どうなってるの?」
「なにやってるの?」
と聞きたくなるのも当然のこと。その都度事情を説明し,国道からの道のりを説明していたところ,1人の運転手さんに出会いました。
運転手さんのやさしさ
その方は,工事関係者か何かの方で,大型の車に乗っていました。
「なにしてるの?」
他の方と同じことを聞かれたので,同じように答えました。
「誰かに頼まれたの?」
「いえ,勝手に。。」
「えらいやん!!」
ここまでも,他にも色んな方に同じようにお褒め頂きました。
「でも,暗いから危ないぞ。…そうだ,これ,使って。」
そう言って,その方は,持っていた黄色い反射素材のベスト(工事現場などで使われてるアレです。)を手渡してくださったんです。
「え,これ,お仕事で必要なんじゃないですか?」
驚いてそう訊くと,
「いや,君らの方がいるやろ。
じゃあ,頑張って。ありがとね。」
そう言って,去っていかれました。
とてもありがたかったです。名前などを聞きそびれてしまったために改めてお礼を言ったり,ベストを返したりはできていないですが。。
そのおかげもあって,その後,暗い時間にも,車道におりて交通整備を行うことができました。その甲斐もあり,バイパスにできていた長蛇の列は,その付近では解消されました。
22時ごろまで整備をしたのち,僕らは解散しました。靴や自転車はドロドロでしたが,僕らの気持ちはどこか晴れやかでした。
3.行動 ー 2日目
3-1.おにぎり
翌日,バイパスのもっと前方で,やはり立ち往生してる人がいると聞き,友人の一人がtwitterで,食料提供を呼びかけました。たくさんの方が拡散してくれたおかげもあり,本当にたくさんの方が協力してくれました。
車や自転車で,お米を提供してくれるという方の下を回ったほか,わざわざ拠点までもってきてくださる方もいました。もちろん,お米以外にもいろいろなものが集まりました。
集まったお米をおにぎりにして,他の食料と一緒に,立ち往生してる方たちに配って回りました。その後は,近くにある避難所いくつかにも,市役所に相談しながら配って回りました。
これが,僕たちの行動の一部始終です。
4.”行動するだけ”の影響力
4-1.たくさんの感動を頂きました
車に乗ってる方々は,みなさん,不安が大きい中で,
「ありがとう」
「頑張って」
というお言葉をたくさんくださいました。
中には,自分はたくさん持っている,と言って,僕たちに食料を逆に提供してくださった方もいました。
twitterの投稿から,たくさんの人が拡散してくれ,たくさんの方が食料を提供してくださいました。支援の輪が,短時間でどんどん広がっていったんです。
避難所の方は,
「白米が嬉しい」
と言ってくれました。車の方には,
「今まで食べたどんなおにぎりよりおいしい」
と言ってくださった方もいました。
とりあえず何か,と言って始めた行動がここまでのものになるとは,おそらく誰も想像もしていませんでした。しかし,たくさんの方とお話することで,僕たち自身が,大きなエネルギーと,大きな感動をもらいました。
「動いてよかった」
今,心からそう思っています。